人手不足に悩む工務店がとった意外な一手
「もう何年も若い職人が入ってこない」
「ハローワークに出しても反応なし」
そう嘆く工務店は少なくありません。実際にある地方の工務店も、2年連続で採用ゼロという深刻な状況でした。
そんな中、「現場紹介をSNSに載せてみよう」という軽い気持ちから始まったWEB発信が、わずか数ヶ月で20代からの応募を呼び込む結果に。
求職者の行動が変わった今、採用のチャンスも“ネットの中”にあったのです。
求人を出しても誰も来ない。応募ゼロの現実
「地域に職人希望の若い人がいないのか？ それともウチが選ばれていないのか？ 正直、分からなかったんです」
- ハローワーク掲載でも応募ゼロ
- 求人サイトは高額＆反応が薄い
- 口コミや紹介も高齢層中心
経営者の声
「若い職人が全然入ってこなくなったのは正直、うすうす感じてたんです。でも、ハローワークにも出してたし、一応求人のチラシも置いてたから“そのうち誰か来るだろう”くらいに思ってて…。
でも気がつけば2年も応募ゼロ。年々、現場の職人が高齢化していって、“このままじゃ将来どうなるんだ”って、ある日ふと不安に襲われました。
求人サイトは費用が高いし、載せたところで反応がなかったら…って考えると怖くて。でも、“発信さえすれば誰かに届くかもしれない”って、半信半疑でSNSとGoogleを見直すことにしたんです。
まさかそれで本当に応募が来るとは思ってませんでした。」
“どんな職場か伝える”ことに集中
これまでの求人では「職人募集」と書くだけで、どんな現場なのか、誰が働いているのかといった情報がまったく伝わっていませんでした。
しかし今の若い世代は、「どこで、どんな人と、どんな雰囲気の中で働くのか」をとても重視します。
そこで、単なる採用情報ではなく、“リアルな職場の空気”を可視化する発信に切り替えました。
Instagramの求人活用
- 「職人の一日」「現場の雰囲気」「若手とベテランの関係性」などをストーリーズと投稿で発信
- 文章も“飾らない言葉”で、働く様子が伝わるように構成
- 求人ページと連携し、導線を明確化 など
Googleビジネスプロフィール（MEO）の改善
- 「求人募集中」の記載を追加
- 写真も“施工事例だけでなく、職場風景”を中心に変更
- 口コミに「働きやすさ」や「対応の丁寧さ」が自然と反映 など
応募動線の改善とサポート
- Instagramのプロフィールから公式LINEへ直結
- LINE内で「質問だけでもOK」と記載し、心理的ハードルを下げる
- 毎月の簡易レポートでどの投稿が反応を得たか分析・改善 など
2年連続ゼロだった応募が、1ヶ月で2名に
発信を始めてから驚くほど早く反応が現れました。
それまでは2年連続で応募が一人も来なかったのに、SNSとGoogleの情報を整えて1ヶ月もしないうちに、20〜30代の若手から2件の応募が届いたのです。
さらに、DMやLINEのやり取りを通じて「職場の雰囲気が伝わって安心できた」「働く人たちの表情が印象的だった」といった声も多数ありました。
ただ求人情報を出すのではなく、“人と環境の魅力”を見せることが、若手採用には欠かせないことを実感する結果となりました。
- 20〜30代の若手から「インスタ見て興味持ちました」のDMが発生
- そのうち1名が実際に見学・面談 → 入社決定
- 「SNSで職場の雰囲気が伝わったから安心できた」という声も
- Googleマップの表示回数：約2.8倍に増加（求人キーワードを追加後）
「まさかSNSで応募が来るなんて。
写真と文章で“うちの良さ”が伝わるって、こういうことだったんですね。」
“働く現場”を見せれば共感が生まれる
これまでの採用では、「募集しています」と文字だけで伝えるケースが多く、どんな職場か想像できない状態でした。
でも今は、働く環境・人・雰囲気に“共感できるかどうか”が、応募のきっかけになります。
だからこそ、かしこまった求人情報よりも、ありのままの現場を見せた発信が強い武器になるのです。
- 採用は“情報の信頼感”と“共感”で決まる時代
- 施工事例だけでなく、職場の雰囲気やスタッフの声が応募の決め手に
- 求人媒体に頼らず、自社メディア（Instagram・Google）でコストゼロの採用が実現
- 丸投げでも継続できる体制で、“発信が資産”になる運用が可能
Q&A：よくある質問
Q1. 求人目的でもSNSは有効なんですか？
→ 若手世代は企業のSNSやGoogle口コミを事前に確認します。雰囲気が伝われば興味を持ってもらえます。
Q2. 顔出ししないとダメですか？
→ 必須ではありません。後ろ姿や作業風景でも“人となり”は十分に伝わります。
Q3. 投稿のネタが思いつかない…
→ 投稿例やテンプレートがあるので、写真と一言コメントだけで大丈夫です。
Q4. 応募が来てもLINE対応とか手間じゃない？
→ 自動応答テンプレートや導線設計も支援するので手間は最小限です。
Q5. 採用向けの発信って続けられる？
→ 毎月の投稿企画提案とレポート改善があるので、継続しやすい仕組みになっています。
“伝えていない”ことが採用できない理由だった
若手が来ないのは、関心がないのではなく、「知られていない」だけだった。
それに気づいたこの工務店は、ほんの少しの発信から、新しい出会いと未来の仲間を見つけることができました。
月5万円の仕組みで、“人が集まる工務店”になる。
求人難が続く今こそ、動き出す価値があるタイミングかもしれません。
