「ポータルサイトに依存していて自力集客が難しい…」
「ホットペッパーをやめたら新規が減った…」
「ブログやSNSをやっているが、戦略が見えない…」
このような悩みを抱えている整体院の先生方は、本当に多いのではないでしょうか。
実際に私も多くの整体院とお話しする中で、「ポータルサイトからの脱却を図りたいけれど、具体的な方法が分からない」「自前のWebメディアを作りたいが、何から始めればいいのか分からない」という声をよく耳にします。
確かに、ホットペッパービューティーやエキテンなどのポータルサイトは即効性があり、一定の集客効果が期待できます。
しかし、ポータルサイト依存には「手数料負担」「競合との価格競争」「顧客情報の蓄積困難」といったリスクがあるのも事実です。
そこで注目すべきなのが、オウンドメディア戦略です。自社で所有・管理するメディアを活用することで、長期的に安定した集客基盤を構築できます。
この記事では、整体院が自前のWebメディア=オウンドメディアを活用して、安定集客・信頼構築・リピート率向上を実現する方法を詳しく解説します。初心者でも実践できる設計の仕方・コンテンツ例・成功事例まで網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも整体院における「オウンドメディア」とは?
まず、「オウンドメディア」という言葉の意味を、整体院の文脈で分かりやすく整理しましょう。
この概念を正しく理解することが、効果的な戦略立案の出発点になります。
自社で所有・管理するメディアの総称
オウンドメディア(Owned Media)とは、文字通り「自社が所有・管理するメディア」のことです。他社のプラットフォームに依存せず、自社でコントロールできるメディアを指します。
整体院の場合、以下のようなメディアが該当します:
- ホームページ:院の基本情報、施術メニュー、料金表など
- ブログ:症状解説、症例紹介、セルフケア方法など
- LINE公式アカウント:予約受付、情報配信、顧客とのコミュニケーション
- 自社SNS:Instagram、Twitter、YouTubeなどの公式アカウント
- メールマガジン:定期的な健康情報の配信
これらは全て、院が主体的にコンテンツを作成し、情報発信をコントロールできるメディアです。ポータルサイトのように他社のルールに縛られることなく、自由度の高い運営が可能になります。
ホームページ・ブログ・LINE・SNSも含まれる
多くの整体院では、既にホームページやSNSアカウントを持っているかもしれません。実は、それらも立派なオウンドメディアです。重要なのは、これらのメディアを単独で運用するのではなく、戦略的に連携させることです。
例えば、以下のような連携が考えられます:
- Instagram → ホームページ:施術動画で興味を引き、詳細情報はHPで確認
- ブログ → LINE登録:有益な情報を提供し、継続的な関係構築へ
- LINE → 予約:信頼関係を築いてから来院につなげる
オウンドメディアの特徴:自社でコンテンツの内容、更新頻度、表現方法をすべて決められるため、院の個性や専門性を自由に表現できます。また、蓄積されたコンテンツは長期的な資産となり、継続的な集客効果を生み出します。
ポータル依存から脱却し”資産”に変える考え方
ポータルサイトとオウンドメディアの最大の違いは、「資産性」にあります。ポータルサイトに掲載している情報は、そのサイトの資産であり、院の資産ではありません。一方、オウンドメディアで蓄積したコンテンツは、院の貴重な資産になります。
具体的な違いを見てみましょう:
ポータルサイトの場合:
- 掲載料を払い続ける必要がある
- 競合院と同じ土俵で価格競争になりがち
- 顧客情報は基本的にサイト側が管理
- サイトのルール変更に左右される
オウンドメディアの場合:
- 一度作ったコンテンツは継続的に集客に貢献
- 院の独自性や専門性を自由に表現できる
- 顧客との直接的な関係を構築できる
- 運営方針を自社で決められる
資産型のメディア構築により、長期的に安定した集客基盤を作ることができるのです。

オウンドメディアが整体院にも必要な3つの理由
では、なぜ整体院にとってオウンドメディア戦略が重要なのでしょうか。
その理由を3つの観点から詳しく解説します。
① Google/Yahooでの検索対策(SEO流入)
現代では、体の不調を感じた際に、多くの人がまずインターネットで情報を検索します。「肩こり 原因」「腰痛 改善方法」「○○駅 整体院」などのキーワードで検索した際に、自院のコンテンツが上位表示されれば、自然な流入が期待できます。
SEO(Search Engine Optimization)による集客の利点:
- 継続的な効果:一度上位表示されれば、長期間にわたって集客に貢献
- 無料の集客:広告費をかけずに見込み客にリーチできる
- 高い信頼性:検索上位のサイトは信頼性が高いと認識される
- 能動的な顧客:自分で検索している人は、来院意欲が高い傾向
特に整体院の場合、「症状 + 地域名」のキーワードで上位表示されることで、地域の見込み客に効果的にアプローチできます。例えば「渋谷 肩こり整体」「新宿 腰痛治療」などのキーワードです。
② ブランディング・口コミの裏付け
整体院のような施術業界では、技術力や人柄など、実際に体験しないと分からない部分が多くあります。そのため、事前の情報収集が非常に重要になります。オウンドメディアは、院の専門性や施術に対する考え方を詳しく伝える最適な場所です。
ブランディング効果の具体例:
- 専門性の証明:症状別の詳細な解説記事で知識の深さをアピール
- 実績の可視化:症例紹介やビフォーアフターで効果を実証
- 人柄の伝達:院長の思いや日常の様子で親しみやすさを演出
- 口コミの補強:患者さんの声と合わせて信頼性を向上
また、口コミサイトで良い評価を得ている場合、自社のオウンドメディアでその口コミを紹介することで、信頼性をさらに高めることができます。
③ LINEやSNSなど他メディアへの連携
オウンドメディアの真の価値は、単独で機能することではなく、他のメディアとの連携にあります。ホームページやブログを中心に、LINE、Instagram、YouTubeなどを戦略的に組み合わせることで、相乗効果を生み出すことができます。
メディア連携の例:
- ブログ → LINE:有益な記事を読んだ人にLINE登録を促し、継続的な関係を構築
- Instagram → HP:ショート動画で興味を引き、詳細情報はホームページで確認
- YouTube → 予約:セルフケア動画で信頼を得て、本格的な施術に誘導
- LINE → 来院:ステップ配信で教育を行い、自然な来院を促す
連携の重要性:各メディアには得意分野があります。InstagramやTikTokは「発見」、ブログは「信頼構築」、LINEは「関係維持」に適しています。これらを有機的に連携させることで、見込み客の様々なニーズに対応できます。
整体院におけるオウンドメディア戦略の全体像
オウンドメディア戦略を成功させるためには、顧客の行動パターンに合わせた設計が重要です。認知から来院、そしてリピートまでの流れを3つのフェーズに分けて、それぞれに適したメディア活用方法を解説します。
① 認知・流入フェーズ(集客導線)
まず最初に必要なのは、潜在的な顧客に院の存在を知ってもらうことです。体の不調を感じた人や、整体院を探している人に、自然に発見してもらえる仕組みを作りましょう。
SEOブログ/お悩み別ページ/SNSショート動画
認知・流入フェーズで効果的な施策:
- SEOブログ:「肩こり 原因 改善」「腰痛 ストレッチ」などのキーワードで記事作成
- お悩み別ページ:症状ごとに詳細な説明ページを作成
- Instagramリール:簡単なセルフケア方法を短い動画で紹介
- TikTok:若年層向けに親しみやすい健康コンテンツ
- YouTube:より詳細なセルフケア方法や院の紹介
この段階では、まず「見つけてもらう」ことが最優先です。売り込み色を抑えて、純粋に役立つ情報を提供することで、自然な流入を獲得できます。
コンテンツ作成のポイント:
- 検索意図に合致:実際に検索されているキーワードを意識
- 視覚的な分かりやすさ:図解や動画を活用して理解しやすく
- 専門性の適度な表現:専門的すぎず、素人でも理解できる内容
- 継続的な更新:定期的な投稿で検索エンジンの評価を向上
② 比較・検討フェーズ(信頼構築)
院の存在を知った見込み客が、「この院なら安心して任せられそう」と感じてもらう段階です。ここでは、専門性や実績、人柄を伝えるコンテンツが重要になります。
院長紹介/症例ブログ/ビフォーアフター/口コミ掲載
信頼構築に効果的なコンテンツ:
- 院長・スタッフ紹介:経歴、資格、施術に対する思いを詳しく紹介
- 症例ブログ:実際の患者さんの改善事例を詳細に紹介(許可を得て)
- ビフォーアフター:施術前後の変化を分かりやすく表示
- 患者さんの声:写真付きの体験談で信頼性を向上
- 院内の様子:清潔感や雰囲気を伝える写真や動画
特に重要なのは、「なぜその施術方法を選ぶのか」「どのような考えで患者さんと向き合っているのか」といった、院長の人柄や施術哲学を伝えることです。
信頼構築のコツ:完璧すぎる表現よりも、人間味のある内容の方が親しみやすさを感じてもらえます。「失敗から学んだこと」「なぜこの仕事を選んだのか」といったストーリーも効果的です。
③ 来院・再来院フェーズ(リピート設計)
信頼を得て来院していただいた患者さんに、継続的に通院していただくための仕組みです。施術の効果を最大化し、長期的な健康維持をサポートすることで、自然なリピートを促進できます。
LINEステップ配信/アフターケア記事/自宅ケア動画
リピート設計に効果的な施策:
- LINEステップ配信:施術後の過ごし方や次回来院のタイミングを自動配信
- アフターケア記事:施術効果を維持するための生活習慣アドバイス
- 自宅ケア動画:症状に応じたセルフケア方法を動画で分かりやすく説明
- 定期的な健康情報:季節に応じた体調管理のコツ
- 予約リマインド:適切な間隔での来院を促すメッセージ
このフェーズでは、患者さんの健康維持を真剣にサポートする姿勢を示すことが重要です。単なる売り込みではなく、本当に患者さんのためになる情報を提供することで、信頼関係がさらに深まります。
具体的なメディア活用例(チャネル別)
ここからは、具体的にどのようなメディアを、どのように活用すればよいのかを、チャネル別に詳しく解説します。それぞれのメディアの特徴を理解し、効果的に組み合わせることが成功の鍵となります。
① ホームページ
ホームページは、オウンドメディア戦略の中心となる「ハブ」の役割を果たします。他のメディアから流入した見込み客が、最終的に詳細な情報を確認し、予約を決断する場所です。
TOP・メニュー・院紹介・アクセス・FAQ
整体院のホームページに必要な基本ページ:
- TOPページ:院の特徴を3秒で伝える分かりやすい構成
- 施術メニュー:料金、所要時間、効果を明確に記載
- TOPページ:院の特徴を3秒で伝える分かりやすい構成
- 施術メニュー:料金、所要時間、効果を明確に記載
- 院長・スタッフ紹介:顔写真付きで人柄と専門性をアピール
- アクセス・営業時間:Googleマップ埋め込みで来院しやすく
- よくある質問(FAQ):初回来院への不安を解消
- お客様の声:実際の体験談で信頼性を向上
- 予約フォーム:簡単で分かりやすい予約システム
ブログで信頼性とSEO流入を強化
ホームページにブログ機能を追加することで、SEO効果と信頼性向上の両方を実現できます。静的な院紹介ページだけでは、検索エンジンからの評価が上がりにくく、集客力に限界があります。
効果的なブログ記事のテーマ例:
- 症状別解説:「慢性的な肩こりの本当の原因とは?」
- セルフケア方法:「オフィスでできる簡単腰痛予防ストレッチ」
- 生活習慣アドバイス:「肩こりを悪化させる意外な生活習慣5選」
- 症例紹介:「3回の施術で改善した慢性腰痛のケース」
- 季節の健康情報:「梅雨時期の体調不良の原因と対策」
ブログ更新のコツ:週1〜2回の定期更新が理想的です。無理のないペースで継続することが、SEO効果向上の鍵となります。また、写真や図解を多用することで、読者にとって分かりやすく、滞在時間の向上にもつながります。
② ブログ
ブログは、整体院のオウンドメディア戦略において最も重要な役割を果たします。SEO集客の中心であり、専門性の証明、信頼関係の構築など、多面的な効果を期待できます。
肩こり・腰痛など症状別キーワードに対応
ブログで狙うべきキーワードは、患者さんが実際に検索している言葉を中心に設定します。症状別のキーワードは検索ボリュームも大きく、来院意欲の高い見込み客にリーチできます。
効果的なキーワード例:
- 症状 + 原因:「肩こり 原因」「腰痛 原因」
- 症状 + 改善:「肩こり 改善方法」「首の痛み 治し方」
- 症状 + ストレッチ:「腰痛 ストレッチ」「肩甲骨 ほぐし方」
- 地域 + 整体:「渋谷 整体院」「新宿 骨盤矯正」
- 症状 + 整体:「肩こり 整体 効果」「腰痛 整体 おすすめ」
「事例×体験×解説」型の記事構成が効果的
整体院のブログで最も効果的な記事構成は、「実際の症例」「患者さんの体験」「専門的な解説」を組み合わせたスタイルです。この構成により、読者の関心を引きつけながら、院の専門性もアピールできます。
記事構成の例:
- 導入部:症状で悩んでいる読者への共感
- 症例紹介:実際の患者さんの改善事例(許可を得て)
- 原因解説:なぜその症状が起こるのかを専門的に説明
- 対処法:自宅でできるセルフケア方法
- 来院の案内:より本格的な改善には専門的な施術が必要であることを伝える
この構成により、読者にとって価値のある情報を提供しながら、自然に来院への動機づけを行うことができます。
③ LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、見込み客との継続的な関係構築において最も効果的なツールです。現代では、電話よりもLINEでの連絡を好む人が多く、気軽なコミュニケーションが可能になります。
予約導線/ステップ配信/自動返信の活用
LINE公式アカウントの効果的な活用方法:
- 予約システム:トーク画面から直接予約を受付
- ステップ配信:登録後に段階的に有益な情報を自動配信
- 自動返信:よくある質問に対する自動応答
- リッチメニュー:予約、メニュー、アクセスなどのボタン設置
- 定期配信:健康情報や院からのお知らせ
ブログやSNSとの連携も必須
LINE公式アカウントの真価は、他のメディアとの連携で発揮されます。各メディアからLINEに誘導し、そこで関係性を深めて来院につなげる導線設計が重要です。
連携の具体例:
- ブログ → LINE:記事末尾に「詳しい情報はLINEで」と誘導
- Instagram → LINE:ストーリーズやプロフィールからLINE登録を促進
- YouTube → LINE:動画説明欄でより詳しい情報をLINEで提供
- LINE → 来院:ステップ配信で信頼関係を築いてから予約を促進
LINE活用のポイント:配信頻度は週1〜2回程度が適切です。あまり頻繁すぎると煩わしく感じられ、少なすぎると存在を忘れられてしまいます。また、一方的な情報発信だけでなく、質問や相談に丁寧に答えることで信頼関係を深められます。
④ Instagram / TikTok(SNS)
SNSは「発見」のメディアとして、新規顧客との最初の接点を作る重要な役割を果たします。特にInstagramとTikTokは、視覚的に分かりやすいコンテンツで整体院の魅力を伝えるのに適しています。
“見つかる”ためのショート動画
SNSでは、アルゴリズムによって多くの人に表示される「バズる」コンテンツを作ることが重要です。整体院の場合、以下のようなコンテンツが効果的です:
- 簡単セルフケア:30秒でできるストレッチや体操
- 姿勢改善:正しい座り方、立ち方のビフォーアフター
- 症状チェック:「その症状、実は○○が原因かも」
- 院内紹介:清潔感のある院内や施術の様子
- 健康豆知識:意外と知らない体の仕組みや健康情報
ビフォーアフター・セルフケア紹介などが人気
特に効果的なのは、視覚的に変化が分かりやすいビフォーアフターコンテンツです。姿勢の改善や可動域の変化など、見た目で分かる変化は多くの人の関心を引きます。
人気コンテンツの例:
- 姿勢矯正のビフォーアフター:施術前後の姿勢変化を横から撮影
- 可動域改善:首の回転角度や前屈の改善を測定
- 表情の変化:痛みが和らいだ患者さんの笑顔(許可を得て)
- セルフケア実演:院長が実際にストレッチを行っている様子
SNSでの発信では、エンターテイメント性も重要です。純粋に教育的な内容だけでなく、見ていて楽しい、親しみやすいコンテンツも織り交ぜることで、より多くの人に届けることができます。

整体院の成功事例|オウンドメディア活用で変わったこと
理論だけでなく、実際にオウンドメディア戦略を実践して成果を上げた整体院の事例をご紹介します。これらの事例から、具体的な実装方法と期待できる効果を学びましょう。
事例① ブログ記事が月1,000PVを超えた→指名来院増
都市部で開業5年目のA整体院では、週2回のブログ更新を継続した結果、半年後には月間1,000PVを超えるアクセスを獲得しました。
A院の取り組み内容:
・症状別の詳細記事を月8本投稿
・実際の症例を写真付きで紹介(許可を得て)
・地域名を含めたSEOキーワードを意識
・SNSでブログ記事をシェアして相乗効果を狙う
結果として、「○○駅 整体院」「○○市 腰痛治療」などの地域キーワードで上位表示を獲得し、月平均15名の新規来院を達成しました。
特に効果的だったのは、「○○院長のブログを見て来ました」という指名来院の増加です。ブログを通じて院長の人柄や専門性を知った患者さんが、信頼を持って来院してくれるようになりました。
事例② LINE登録後の来院率が3倍に
郊外で開業するB整体院では、LINE公式アカウントを活用したステップ配信により、見込み客の来院率を大幅に向上させました。
B院が実施したLINEステップ配信の内容:
- 登録直後:院長からの挨拶と初回限定特典の案内
- 3日後:よくある症状のセルフチェック方法
- 1週間後:実際の症例改善事例の紹介
- 2週間後:日常生活で気をつけるべきポイント
- 3週間後:個別相談の案内と予約フォーム
このステップ配信により、LINE登録者の来院率が従来の10%から30%に向上しました。段階的に信頼関係を築くことで、患者さんが安心して来院を決断できるようになったのです。
事例③ インスタ→LINE→来院→ファン化の導線ができた
若い患者層の獲得を目指していたC整体院では、Instagramを起点とした包括的なオウンドメディア戦略を展開しました。
C院の導線設計:
- Instagram:セルフケア動画で認知獲得
- LINE誘導:「詳しいケア方法はLINEで」と自然に誘導
- 関係構築:個別の相談にも丁寧に対応
- 来院促進:適切なタイミングで来院を提案
- ファン化:アフターフォローでリピート率向上
結果として、20〜30代の患者比率が50%から70%に向上し、目標としていた若い世代への訴求に成功しました。また、SNSでの口コミ投稿も増加し、自然な拡散効果も得られています。
オウンドメディア戦略を成功させる5つのポイント
成功事例を参考にしながら、整体院がオウンドメディア戦略を成功させるための重要なポイントを5つ整理しました。これらのポイントを押さえることで、効果的な戦略実行が可能になります。
① 目的(集客?教育?信頼?)を明確にする
オウンドメディア戦略を始める前に、何を達成したいのかを明確にすることが重要です。目的によって、取るべき施策や重視すべき指標が変わってきます。
主な目的とその施策:
- 新規集客:SEOブログ、SNS広告、地域キーワード対策
- 信頼構築:症例紹介、院長インタビュー、患者さんの声
- 患者教育:セルフケア動画、健康コラム、予防方法
- リピート促進:LINEステップ配信、アフターフォロー
- 口コミ促進:SNS投稿促進、体験談募集
② コンテンツごとに役割を分ける
各メディアやコンテンツには、それぞれ得意分野があります。適材適所でコンテンツを配置することで、効率的な成果を得ることができます。
メディア別の役割分担例:
- Instagram:認知獲得、視覚的な訴求
- ブログ:SEO集客、専門性の証明
- LINE:関係構築、来院促進
- YouTube:詳細な説明、信頼構築
- ホームページ:情報集約、予約受付
③ キーワード選定とSEOを意識する
検索エンジンからの流入を獲得するためには、適切なキーワード選定が不可欠です。競合が少なく、かつ来院意欲の高いキーワードを見つけることが重要です。
キーワード選定のコツ:Googleの検索候補機能や、Googleキーワードプランナー、Ubersuggestなどのツールを活用して、実際に検索されているキーワードを調査しましょう。また、患者さんから実際に聞かれる質問や相談内容も、貴重なキーワードのヒントになります。
④ 継続更新できる仕組みをつくる
オウンドメディアの成功には、継続的な更新が不可欠です。しかし、日々の施術業務に追われて更新が滞ってしまうことがよくあります。無理のない更新スケジュールと効率的な運用方法を確立することが重要です。
継続更新のための工夫:
- 更新スケジュール:週1回、曜日を決めて定期更新
- コンテンツストック:時間のある時にまとめて作成
- テンプレート化:記事構成や投稿フォーマットを標準化
- スタッフ活用:受付スタッフに投稿業務を依頼
- 予約投稿:SNSの予約投稿機能を活用
⑤ 外注や伴走支援も検討する
すべてを自分で行おうとすると、本業の施術に支障をきたす可能性があります。戦略設計と一部の運用を外部に委託することで、効率的にオウンドメディア戦略を実行できます。
外注検討の判断基準:
- 時間的余裕:更新作業に月20時間以上かかる場合
- 専門知識:SEOやWEB技術の習得に時間がかかる場合
- 費用対効果:外注費用よりも集客効果が上回る見込みがある場合
- 継続性:一人で続けることに不安がある場合
ただし、外注する場合でも、コンテンツの内容や方向性については院長が主体的に関わることが重要です。患者さんとの信頼関係を築くには、院長の人柄や考え方が伝わることが不可欠だからです。
よくある質問(Q&A)
整体院のオウンドメディア戦略について、よく寄せられる質問にお答えします。
Q1. ホームページがあればブログは不要ですか?
A. いいえ、ブログは検索流入の入口として重要です。静的なページだけでは集客力が弱まります。ホームページは院の基本情報を伝える「名刺」の役割、ブログは専門性をアピールし新規顧客を獲得する「営業ツール」の役割があります。両方を組み合わせることで、相乗効果を得ることができます。
Q2. ブログ記事の内容は何を書けばいい?
A. 「症状 × 具体的なケース × 解説」が鉄板です。例:「肩こりが改善した50代女性のケース」。実際の患者さんの事例を元に、症状の原因、改善過程、日常生活での注意点などを詳しく解説することで、読者にとって価値のある記事になります。また、同じような症状で悩んでいる人の共感も得やすくなります。
Q3. すでにSNSをやっていますが、意味ありますか?
A. SNSは「見つかる」きっかけとして重要です。ただし“オウンドメディアに流す”戦略設計がなければ成果が出にくくなります。SNS単体での集客効果は限定的ですが、ホームページやLINEなど他のメディアとの連携により、大きな効果を発揮します。既存のSNSアカウントも、戦略的に活用すれば重要な資産になります。
Q4. LINEやSNSとどう連携すればいい?
A. 例えば、SNS投稿 → LINE登録 → 予約 or ステップ配信 → 来院といった”集客導線”を作ることがカギです。各メディアには役割を明確に分け、最終的に来院につながる一連の流れを設計します。SNSで興味を引き、LINEで関係を深め、適切なタイミングで来院を促すという段階的なアプローチが効果的です。
Q5. 自分で全部やるのは無理そう…外注すべき?
A. 目的と費用対効果次第ですが、戦略設計だけプロに頼み、投稿や更新は自分でやるハイブリッドもおすすめです。完全外注は費用が高額になりがちですが、方向性や仕組みづくりをプロに依頼し、日々の運用は院内で行うことで、コストを抑えながら効果的な運用が可能になります。
まとめ|”選ばれる整体院”はオウンドメディアで信頼を育てている
現代の整体院経営において、オウンドメディア戦略は必要不可欠な要素となっています。ポータルサイト依存からの脱却を図り、長期的に安定した集客基盤を構築するためには、自前のメディア資産の蓄積が重要です。
この記事でご紹介した戦略とポイントをまとめると:
- ポータル依存から脱却するには”自前のメディア資産”が必要
- オウンドメディアは「集客・信頼・教育・リピート」の導線設計ができる
- ホームページ・ブログ・LINE・SNSを戦略的に連携させよう
重要なのは、すべてを一度に完璧に行おうとしないことです。まずは一つのメディアから始めて、徐々に連携を広げていくアプローチが現実的です。
例えば、最初はブログの定期更新から始めて、慣れてきたらLINE公式アカウントを開設し、さらにInstagramとの連携を図るといった段階的な取り組みがおすすめです。
オウンドメディア戦略の真の価値は、単なる集客手段ではなく、患者さんとの信頼関係を深める「コミュニケーションプラットフォーム」として機能することです。継続的な価値提供により、患者さんから真に信頼される整体院を目指していきましょう。
最終的に、オウンドメディアで成功する整体院は「技術力」だけでなく「情報発信力」も兼ね備えた院です。この両輪がうまく回ることで、地域で最も選ばれる整体院へと成長していけるのです。