「SNSをがんばって投稿しているのに予約が増えない…」
「フォロワーは増えても集客につながらない…」
このような悩みを抱えている鍼灸院の先生方は決して少なくありません。
実際に、ある鍼灸院では毎日欠かさず投稿を続けているにも関わらず、月の予約数が一向に増えないという状況が半年以上続いていました。
実は、こうした状況はよくある落とし穴にハマっている鍼灸院が多いのが現状です。SNSの運用自体は素晴らしい取り組みなのですが、「なんとなく投稿している」状態では、せっかくの努力が結果につながりません。
この記事では、鍼灸院のSNS活用でよくある失敗例5つを詳しく紹介し、それぞれに対する具体的な改善策を解説します。また、実際に成果を上げている鍼灸院の事例も交えながら、予約につながるSNS活用のヒントをお伝えします。

鍼灸院がSNSに力を入れる理由とは?
現在、多くの鍼灸院がSNSに力を入れている背景には、患者さんの行動パターンの変化があります。
従来の「電話で予約」「紹介で来院」といった流れから、デジタルを活用した情報収集と予約が当たり前になってきているのです。
来院前にSNSで「人柄・雰囲気」をチェックされる時代
鍼灸院を選ぶ際、患者さんが最も重視するのは「技術力」ですが、その次に重要なのが「先生の人柄」と「院の雰囲気」です。
実際に、とある鍼灸院では、初回来院時のカウンセリングで「先生のInstagramを見て、優しそうな方だと思ったので」という理由で来院を決めた患者さんが月に10名以上いるという結果が出ています。
SNSは「技術を伝える場」ではなく「人となりを伝える場」として機能することが多いのです。患者さんは施術を受ける前に「この先生は信頼できるか」「院の雰囲気は自分に合うか」を判断したがっているのです。
Google検索よりもInstagramで探されることも
特に20代から40代の女性患者さんの間では、「鍼灸院を探すときはまずInstagramで検索」という行動が一般的になっています。
Googleで「地域名 + 鍼灸院」と検索するよりも、Instagramで「#渋谷鍼灸院」「#肩こり治療」といったハッシュタグで検索し、投稿内容や雰囲気を確認してから来院を決める患者さんが増えているのです。
これは、鍼灸院が「体に直接触れる」「プライベートな空間でのサービス」であることから、視覚的な安心感を事前に得たいという心理が働いているためです。
LINEやMEOとの連携で「予約導線」としても重要
現在のSNSは単体での集客ツールではなく、「予約導線の入り口」としての役割が重要になっています。
効果的な鍼灸院のSNS活用では、以下のような流れが構築されています:
- Instagram投稿で興味を持つ
- ストーリーズで日常の様子を確認
- プロフィールからLINE公式アカウントに登録
- LINEで詳細な相談・予約
- Googleマップでアクセス・口コミ確認
- 来院
このような複数のタッチポイントを連携させることで、患者さんの信頼感を段階的に高めながら予約につなげることができるのです。

よくある鍼灸院SNS活用の失敗例5選
ここからは、実際に多くの鍼灸院で見られる失敗例を5つ紹介し、それぞれの改善策を詳しく解説していきます。
これらの失敗例に当てはまるものがあれば、すぐに改善に取り組んでみてください。
失敗① とにかく投稿数だけ増やしている
「SNSは毎日投稿しなければ効果がない」という思い込みから、内容を深く考えずに投稿数だけを増やしてしまう鍼灸院が多く見られます。
実際に、ある鍼灸院では毎日3回投稿を続けていましたが、投稿内容が「おはようございます」「今日も一日頑張ります」「お疲れ様でした」といった日記のような内容ばかりで、3ヶ月間で予約につながったのはわずか2件でした。
この失敗の根本的な原因は、「投稿の目的が明確でない」ことです。SNSの投稿には大きく分けて2つの目的があります:
- 認知拡大:新しい患者さんに知ってもらうための投稿
- 予約促進:既存フォロワーに来院を促すための投稿
→改善策:目的(認知/予約)に合わせた投稿設計を
効果的な投稿を行うためには、投稿前に「この投稿の目的は何か?」を明確にすることが重要です。
認知拡大が目的の場合:
- 症状に関する豆知識や解説
- セルフケアの方法
- 鍼灸に関する一般的な質問への回答
予約促進が目的の場合:
- 施術の様子やビフォーアフター
- 患者さんの声(許可を得た上で)
- 院内の雰囲気や設備紹介
理想的な投稿頻度は、認知拡大目的の投稿を週2-3回、予約促進目的の投稿を週1-2回程度です。毎日投稿する必要はありませんが、継続性は重要です。
→「誰に何を伝えるか」を投稿ごとに明確にする
投稿の効果を最大化するためには、「誰に向けた投稿なのか」を明確にすることが不可欠です。
例えば、以下のようにターゲットを明確にした投稿を心がけましょう:
- デスクワーカー向け:「肩こりに効くツボ」「長時間のパソコン作業での姿勢改善法」
- 妊婦さん向け:「妊娠中の腰痛対策」「安全な鍼灸施術について」
- スポーツ選手向け:「スポーツ外傷の予防法」「パフォーマンス向上の鍼灸施術」
ターゲットが明確になると、使用するハッシュタグや投稿時間、文章の書き方まで自然と決まってきます。これにより、本当に来院の可能性が高い人にリーチできるようになります。
失敗② ビフォーアフターばかり投稿している
鍼灸院のSNS投稿で最も多いのが、施術前後の写真や症状の変化を示すビフォーアフターの投稿です。確かに効果を視覚的に示すことは重要ですが、これだけでは十分ではありません。
ある鍼灸院では、毎回「首の可動域改善」「肩の痛み軽減」といったビフォーアフター写真を投稿していました。しかし、フォロワーからは「本当に効果があるのか疑問」「どんな施術をしているのか分からない」といった声が上がっていました。
この失敗の原因は、「結果だけを見せて、過程が見えない」ことです。患者さんは結果だけでなく、「どのような施術を受けるのか」「どのような流れで改善するのか」を知りたがっています。
→改善策:ストーリー性・体験の流れをセットで伝える
効果的なビフォーアフター投稿にするためには、施術の全体的な流れをストーリーとして伝えることが重要です。
例えば、以下のような構成で投稿すると効果的です:
- Before:患者さんの症状と来院理由
- Process:カウンセリングの様子、施術方針の説明
- Treatment:実際の施術の様子(プライバシーに配慮)
- After:施術後の変化と患者さんの感想
- Follow:今後のケアプランや自宅でのセルフケア
このように全体の流れを示すことで、患者さんは「自分が施術を受ける場合のイメージ」を具体的に持つことができます。
→Before→施術風景→After+声の3点セットが効果的
特に効果的なのは、「Before → 施術風景 → After + 患者さんの声」の3点セットです。
実際にこの方法を採用している鍼灸院では、以下のような投稿を行っています:
【投稿例】
「30代女性、デスクワークによる慢性的な肩こりでお悩みの患者様。首が左右に動かしにくい状態でした(Before写真)。
まずは詳しいカウンセリングを行い、原因を特定。その後、首・肩周りの筋肉緊張を和らげる鍼治療を実施(施術風景写真)。
施術後は可動域が大幅に改善し、患者様からは『こんなに楽になるなんて!』とお喜びの声をいただきました(After写真+コメント)。」
このような投稿は、単なるビフォーアフターよりも信頼性と説得力が格段に高くなります。
失敗③ ハッシュタグが適切でない
SNSの投稿でハッシュタグは重要な要素ですが、多くの鍼灸院で適切に活用されていません。よく見られるのは「#鍼灸院」「#健康」「#美容」といった一般的すぎるハッシュタグや、逆に「#○○鍼灸院」のような固有名詞ばかりを使用しているケースです。
とある鍼灸院では、毎回「#鍼灸 #健康 #美容 #リラクゼーション #癒し」といった同じハッシュタグセットを使用していました。しかし、これらのハッシュタグは非常に競争が激しく、投稿が埋もれてしまい、新規の患者さんへのリーチが全く期待できませんでした。
ハッシュタグの失敗は、「検索される可能性」を考慮していないことが原因です。
→改善策:「地域名+症状」「鍼灸+悩み」で検索されやすく
効果的なハッシュタグ戦略では、「実際に患者さんが検索しそうなキーワード」を中心に考えることが重要です。
特に効果的なのは以下のパターンです:
- 地域名 + 症状:「#新宿肩こり」「#渋谷腰痛」「#池袋頭痛」
- 地域名 + 鍼灸院:「#新宿鍼灸院」「#渋谷鍼灸」「#池袋はり治療」
- 症状 + 解決したい:「#肩こり改善」「#腰痛治療」「#不眠症改善」
- ターゲット + 症状:「#妊婦腰痛」「#デスクワーク肩こり」「#スポーツ障害」
これらのハッシュタグは、実際に症状で悩んでいる人が検索する可能性が高く、質の高いフォロワー獲得につながります。
→例:「#新宿鍼灸院」「#肩こり解消したい人と繋がりたい」
具体的なハッシュタグの使い方として、以下のような組み合わせが効果的です:
【肩こり改善の投稿例】
#新宿鍼灸院 #肩こり解消したい人と繋がりたい #デスクワーク肩こり #新宿駅近く #肩こり改善 #首こり治療 #鍼灸治療 #新宿治療院 #肩こり専門 #新宿はり治療 #肩こり相談 #新宿整体 #肩こり解消 #新宿駅東口 #肩こり治療院
このようにハッシュタグを組み合わせることで、以下のような効果が期待できます:
- 地域検索:「新宿で鍼灸院を探している人」にリーチ
- 症状検索:「肩こりで悩んでいる人」にリーチ
- 属性検索:「デスクワーカー」などの特定層にリーチ
- 方法検索:「鍼灸治療を求めている人」にリーチ
また、「○○したい人と繋がりたい」というハッシュタグは、SNSの特性を活かした効果的な表現です。治療を「売り込む」のではなく、「同じ悩みを持つ人との繋がり」として表現することで、親しみやすさを演出できます。
失敗④ 写真が暗い・画質が悪い・統一感がない
鍼灸院のSNSで意外に多いのが、写真のクオリティに関する問題です。暗い院内写真、ぼやけた施術写真、統一感のないフィード全体など、視覚的な印象が悪いことで、せっかくの良い内容が台無しになってしまうケースがあります。
ある鍼灸院では、技術的には優れた施術を行っているにも関わらず、Instagramの投稿写真がすべて薄暗く、施術室も古めかしい印象を与えてしまっていました。その結果、同じ地域の競合院と比較して「なんとなく入りにくい」という印象を持たれ、予約数が伸び悩んでいました。
写真の問題は、「第一印象で選択肢から外される」リスクがあることです。特に鍼灸院のような「清潔感」「安心感」が重要なサービスでは、写真の印象が来院判断に大きく影響します。
→改善策:Canvaやスマホ撮影+フィルターで簡単改善
写真のクオリティ改善は、専門的な機材や技術がなくても十分可能です。スマートフォンと簡単なツールを活用することで、プロレベルとまではいかなくても、十分に魅力的な写真を撮影・編集できます。
具体的な改善方法は以下の通りです:
- 撮影時のポイント:自然光を最大限活用し、窓際での撮影を心がける
- スマホの設定:HDRモードをオンにし、グリッド線を表示して構図を整える
- 編集アプリの活用:Canva、VSCO、Lightroomなどで明度・彩度を調整
- フィルターの統一:同じフィルターまたは同系色の加工で統一感を演出
特にCanvaは、鍼灸院のSNS運用において非常に有効なツールです。写真の明度調整、文字入れ、フレーム加工などが簡単にでき、プロっぽい仕上がりを実現できます。
【Canvaでの簡単加工手順】
1. 写真をアップロード
2. 明度を+20〜30程度調整
3. 彩度を+10〜15程度調整
4. 「ウォーム」系のフィルターを適用
5. 必要に応じて文字やロゴを追加
→プロっぽさより”安心感”と”人の顔”を重視
鍼灸院のSNSでは、「プロフェッショナル過ぎる写真」よりも「親しみやすさ」と「安心感」を重視することが重要です。
効果的な写真の特徴:
- 先生の顔が見える:施術中の真剣な表情、患者さんとの会話風景
- 院内の明るさ:清潔で明るい院内の様子、自然光が差し込む受付
- リアルな瞬間:カウンセリングの様子、丁寧な説明をしている場面
- 患者さんの表情:施術後の笑顔、安心した表情(許可を得た上で)
実際に、とある鍼灸院では、院長先生が患者さんに丁寧に説明している様子を投稿したところ、「この先生なら安心して相談できそう」というコメントが多数寄せられ、その投稿から3件の予約につながりました。
「人柄が伝わる写真」こそが、鍼灸院のSNSでは最も重要な要素なのです。
失敗⑤ 投稿が院の紹介ばかりで”見た人の得”がない
多くの鍼灸院のSNSで見られるのが、「当院では○○の治療を行っています」「新しい設備を導入しました」「院長のプロフィール紹介」といった、院側の情報ばかりを発信してしまうパターンです。
ある鍼灸院では、毎回の投稿が院の設備紹介や治療メニューの説明ばかりで、フォロワーからは「宣伝ばかりで面白くない」「フォローする意味がない」という反応がありました。その結果、フォロワー数は増えず、既存フォロワーからのエンゲージメントも低下していました。
この失敗の根本原因は、「発信者目線」で投稿していることです。SNSは「情報を一方的に伝える場」ではなく、「価値を提供して関係性を築く場」であることを理解する必要があります。
→改善策:「その場で使えるツボ」「セルフケア」投稿が◎
フォロワーにとって価値のある投稿とは、「見た人がすぐに実践できる有益な情報」です。
特に効果的なコンテンツ例:
- 簡単ツボ押し:「電車内でできる肩こり解消ツボ3選」
- セルフケア:「寝る前5分でできる腰痛予防ストレッチ」
- 生活習慣アドバイス:「デスクワーク疲れを軽減する座り方」
- 症状別対処法:「頭痛のタイプ別、応急処置法」
- 予防法:「ぎっくり腰を防ぐ日常の注意点」
これらの情報は、フォロワーにとって即座に実践できる価値があり、「保存したい投稿」「友人にシェアしたい投稿」として認識されます。
【効果的な投稿例】
「デスクワーク中の肩こりに効くツボ💡
①肩井(けんせい):肩の一番高いところ
②天柱(てんちゅう):首の後ろ、髪の生え際
③合谷(ごうこく):手の甲、親指と人差し指の間
各ツボを3秒×5回押してみてください✨
会議中でもこっそりできちゃいます🤫
#デスクワーク肩こり #ツボ押し #セルフケア」
→保存率UP=予約前の接触回数UPにつながる
価値のある投稿は、フォロワーに「保存」されやすくなります。これは非常に重要な指標で、保存される投稿はSNSのアルゴリズムからも高く評価され、より多くの人にリーチするようになります。
さらに重要なのは、保存された投稿は「後で見返される」ということです。症状で悩んだ時に、保存した投稿を見返し、その流れで院のプロフィールを確認し、予約に至るケースが多くあります。
実際に、セルフケア投稿を中心とした運用に切り替えた鍼灸院では、以下のような効果が見られました:
- 自然な流れで予約につながるようになるのです。
- 当日の空き状況:「本日16時〜空きがあります」といったリアルタイム情報
- 施術の様子:実際の施術風景を短い動画で紹介
- 院長の日常:勉強会参加、新しい技術の習得など、専門性をアピール
- 患者さんとの交流:感謝の声や改善報告(許可を得た上で)
- プライベート感:1対1のやり取りで、詳細な相談がしやすい
- 通知の確実性:SNSよりもLINEの方が通知に気付きやすい
- 予約管理:日時調整や予約確認がスムーズ
- 継続的な関係:施術後のフォローアップも可能
- 先生の表情:笑顔で患者さんと接している様子
- 丁寧な説明:カウンセリングで真剣に話を聞いている場面
- 院内の温かさ:清潔でありながら温かみのある空間
- 日常の一コマ:勉強熱心な姿勢、患者さんを思う気持ち
- 資格や経歴:国家資格、研修歴、専門分野
- 継続学習:勉強会参加、新技術習得の様子
- 患者さんの声:改善例や感謝のメッセージ
- 施術への姿勢:一人ひとりに向き合う真摯な態度
- キャッチコピー:「どんな患者さんの、どんな悩みを解決するか」を明確に
- 立地・アクセス:最寄り駅からの距離、分かりやすい目印
- 営業時間:受付時間、定休日を明記
- 特別な情報:初回割引、無料相談など
- 連絡手段:LINE、電話番号などの予約方法
- 毎朝のストーリーズ投稿:当日の空き状況とワンポイントアドバイス
- 施術風景の動画:実際の施術の様子を1分程度の動画で紹介
- 患者さんの声:改善報告を音声付きで紹介(許可取得済み)
- LINE誘導:ストーリーズからLINE登録を促進
- ストーリーズの視聴者数が3ヶ月で2.5倍に増加
- LINE登録者数が月50件から150件に増加
- SNS経由の新規予約が月5件から20件に増加
- 当日予約のキャンセル穴埋め率が80%まで向上
- 施術前後の写真のみで、過程が不明
- 専門用語が多く、一般の人には理解しにくい
- 患者さんの感情や体験が伝わらない
- 投稿に対するコメントやいいねが少ない
- 投稿のいいね数が平均25から63に増加
- コメント数が投稿あたり1-2件から8-12件に増加
- 投稿の保存率が2.5倍に向上
- プロフィールアクセス数が3倍に増加
- 予約問い合わせが月12件から30件に増加
- 週3回のセルフケア投稿:症状別の対処法を詳しく解説
- 動画での実演:ツボの位置や押し方を動画で分かりやすく説明
- PDF資料の配布:まとめ資料をLINE登録者限定で配布
- ブログとの連携:SNS投稿をもとに詳細なブログ記事を作成
- 「電車でこっそりできる肩こり解消法3選」
- 「寝る前5分で腰痛予防ストレッチ」
- 「デスクワーク中にできる首こり対策」
- 「生理痛を和らげるツボ押しマッサージ」
- 「眼精疲労に効く簡単セルフケア」
- 投稿の保存率が業界平均の4倍に達成
- フォロワー数が6ヶ月で800人から3,200人に増加
- Google検索「地域名 + 症状」での上位表示を獲得
- ブログへのアクセス数が月500PVから5,000PVに増加
- 月の新規予約が15件から45件に増加
- SNSプロフィールにGoogleマップリンクを設置:アクセス確認をスムーズに
- Googleマップ情報の充実:営業時間、連絡先、写真を最新状態に
- 口コミ対応の徹底:良い口コミには感謝、改善点は真摯に対応
- 投稿機能の活用:Googleマップでも院の情報を定期的に発信
- SNS:認知獲得、信頼関係構築、日常的な接触
- ホームページ:詳細情報提供、専門性アピール、信頼性向上
- LP:特定の症状や治療法に特化した情報、予約促進
- SNS投稿からホームページへ誘導:「詳しくはプロフィールのリンクから」
- 症状別LPの活用:「肩こり専門ページ」「腰痛改善プログラム」など
- ホームページからSNSへの誘導:「最新情報はInstagramで」
- 一貫したメッセージ:全媒体で同じコンセプト・価値観を伝達
- 患者満足度の向上:継続的なケアで安心感を提供
- リピート率の向上:適切なタイミングでの再予約提案
- 口コミ獲得:満足度の高い患者さんからの口コミ促進
- 紹介患者の増加:満足した患者さんからの紹介
- 目的の明確化:認知拡大か予約促進か、投稿ごとに目的を決める
- 価値提供:宣伝ではなく、患者さんが「得する」情報を発信
- 人柄の表現:技術力だけでなく、先生の人間性を伝える
- 適切なハッシュタグ:検索される可能性の高いキーワードを選択
- 視覚的な配慮:明るく、親しみやすい写真の撮影・編集

SNS活用を成果につなげる4つのコツ
ここまで失敗例を見てきましたが、続いてはSNS活用を実際の予約や売上につなげるための具体的なコツを4つご紹介します。これらは実際に成果を上げている鍼灸院で共通して見られる手法です。
① ストーリーズで来院のきっかけをつくる
Instagramのストーリーズ機能は、鍼灸院の予約獲得において非常に強力なツールです。通常の投稿よりもカジュアルで親近感があり、24時間で消える特性から「今だけの情報」として価値を感じてもらいやすいためです。
効果的なストーリーズ活用法:
特に効果的なのは、「予約の空き状況」をリアルタイムで伝えることです。急に体調を崩した時や、仕事の合間に時間ができた時など、「今すぐ予約したい」というニーズに応えることができます。
ある鍼灸院では、毎朝のストーリーズで当日の空き状況を伝えるようにしたところ、当日予約が月に8件増加し、予約の穴埋めに大きく貢献しました。
② 予約は「LINE誘導」が基本
SNSから直接予約を取ろうとするのではなく、LINE公式アカウントに誘導して、そこで詳細な相談や予約を受けるのが現在の主流です。
LINE誘導が効果的な理由:
効果的なLINE誘導の方法:
【プロフィール例】
「肩こり・腰痛でお悩みの方へ🌿
📍新宿駅東口徒歩3分
🕐平日9:00-20:00/土曜9:00-17:00
✨初回限定:通常8,000円→5,000円
💬ご予約・ご相談はLINEが便利です
👇お気軽にメッセージください
(LINEリンク)
📞お急ぎの方は直接お電話を
03-xxxx-xxxx」
このようにプロフィールでLINEへの誘導を明確にし、「相談しやすい雰囲気」を演出することが重要です。
③ ビジュアルより「親近感」と「信頼性」
鍼灸院のSNSでは、見た目の美しさよりも「この人なら安心して任せられる」という印象を与えることの方が重要です。
親近感を演出するポイント:
信頼性を示すポイント:
実際に、院長先生の人柄がよく伝わる投稿を中心とした鍼灸院では、「先生の雰囲気に惹かれて」という理由での来院が全体の40%を占めており、人柄の訴求力の高さが証明されています。
④ 投稿だけでなく「プロフィール設計」も重要
多くの鍼灸院が見落としがちなのが、プロフィール欄の最適化です。どんなに良い投稿をしても、プロフィールが魅力的でなければ、フォローや予約にはつながりません。
効果的なプロフィールの構成要素:
【改善前】
「○○鍼灸院です。鍼灸治療を行っています。お気軽にお越しください。」
【改善後】
「デスクワーク肩こり専門🌿国家資格者が丁寧にケア
📍渋谷駅徒歩5分/平日夜20時まで
✨つらい肩こりを根本から改善
💬LINE予約で初回30%オフ
👇今すぐ相談(LINEリンク)」
改善後のプロフィールは、「誰のための院か」「何が得意か」「どこにあるか」「どうやって予約するか」が一目で分かり、行動を促しやすくなっています。
SNSで集客に成功した鍼灸院の事例
理論だけでなく、実際に成果を上げている鍼灸院の具体例を見ることで、より実践的な理解を深めることができます。ここでは3つの成功事例を紹介します。
事例①:ストーリーズからLINE登録→施術予約に
東京都内の鍼灸院A院では、Instagramのストーリーズ機能を効果的に活用することで、月の新規予約を大幅に増加させました。
実施した施策:
成果:
この事例で特に効果的だったのは、「今すぐ相談したい」という心理に応える仕組みを作ったことです。ストーリーズで症状について触れた後、「詳しくはLINEで相談受付中」と誘導することで、自然な流れで予約につなげることができました。
事例②:Before/After投稿を改善→反応率2.5倍に
神奈川県の鍼灸院B院では、従来のビフォーアフター投稿を見直すことで、大幅にエンゲージメントを向上させました。
改善前の問題点:
改善後の施策:
【改善後の投稿構成】
1. 患者さんの背景(年齢、職業、悩みの期間)
2. 来院時の状態(Before写真 + 本人の言葉)
3. カウンセリングで分かったこと
4. 施術方針と使用した技術
5. 施術後の変化(After写真 + 感想)
6. 今後のケアプランと自宅でのアドバイス
成果:
この改善で最も効果的だったのは、「患者さんの体験談」を中心とした構成にしたことです。同じような症状で悩んでいる人が「自分も同じように改善できるかもしれない」と感じやすくなり、共感を呼ぶ投稿になりました。
事例③:セルフケア投稿が保存されSEO効果も向上
大阪府の鍼灸院C院では、セルフケア情報の投稿に特化することで、SNSだけでなくGoogle検索での露出も向上させることに成功しました。
実施した施策:
代表的なセルフケア投稿例:
成果:
この事例で注目すべきは、SNS投稿が検索エンジンにも好影響を与えた点です。保存されやすい有益なコンテンツは、ブログ記事としても活用でき、SEO効果も期待できます。また、「この先生の情報は役に立つ」という信頼関係が構築され、自然な流れで予約につながる仕組みができました。
SNSだけに頼らない「3つの連携施策」
SNSは強力な集客ツールですが、単体で使用するよりも他の施策と連携させることで効果が倍増します。ここでは、SNSと組み合わせて実施すべき3つの重要な施策について解説します。
① Googleマップ(MEO)との導線強化
SNSで興味を持った患者さんの多くは、最終的にGoogleマップで院の場所や口コミを確認します。そのため、SNSとGoogleマップを連携させた導線設計が重要です。
効果的な連携方法:
実際に、SNSとMEOを連携させた鍼灸院では、以下のような患者行動パターンが確認されています:
【典型的な患者行動フロー】
1. Instagramで院を発見・フォロー
2. 投稿内容で信頼感を蓄積
3. 症状が気になりプロフィールを確認
4. Googleマップで場所・口コミをチェック
5. 他の口コミサイトも確認
6. LINEまたは電話で予約
このフローの中で、Googleマップでのマイナスなイメージがあると、せっかくSNSで構築した信頼関係が台無しになってしまいます。逆に、SNSとGoogleマップの両方で一貫したポジティブなイメージを伝えることができれば、予約率は大幅に向上します。
② ホームページ・LPとの役割分担
SNS、ホームページ、ランディングページ(LP)には、それぞれ異なる役割があります。適切な役割分担を行うことで、より効果的な集客が可能になります。
各媒体の役割:
効果的な連携例:
ある鍼灸院では、SNSで興味を持った患者さんの80%がホームページも確認しており、両方の印象が良い場合の予約率は75%に達しています。逆に、どちらか一方の印象が悪い場合は20%以下に落ち込むため、一貫した品質管理が重要です。
③ LINEステップ配信によるリピート設計
新規患者の獲得だけでなく、リピート来院を促進する仕組みを作ることで、安定した経営が可能になります。LINEステップ配信は、この目的に非常に効果的なツールです。
効果的なLINEステップ配信の設計:
【LINEステップ配信例(初回来院後)】
・来院当日:お疲れ様メッセージ + 当日の注意点
・翌日:体調確認 + 症状の変化について
・3日後:セルフケア方法のアドバイス
・1週間後:症状の経過確認 + 次回予約の提案
・2週間後:予防法について + 定期メンテナンスの提案
・1ヶ月後:症状改善の確認 + 体験談協力のお願い
このようなステップ配信により、以下の効果が期待できます:
実際にLINEステップ配信を導入した鍼灸院では、リピート率が40%から70%に向上し、患者一人当たりの生涯価値も大幅に増加しています。
重要なのは、「売り込み」ではなく「継続的なケア」として配信することです。患者さんの健康を真剣に考えているメッセージが伝われば、自然と信頼関係が深まり、長期的な関係性に発展します。
よくある質問(Q&A)
鍼灸院のSNS活用について、よく寄せられる質問とその答えをまとめました。これらの疑問を解決することで、より効果的なSNS運用が可能になります。
Q1. 鍼灸院のSNSはInstagramがベストですか?
A. はい。Instagramは”感覚的に選ばれるサービス”との相性が良く、地域検索やハッシュタグでの集客に強みがあります。鍼灸院のような「体験・雰囲気・人柄」が重要なサービスには最適なプラットフォームです。ただし、ターゲット層によってはFacebookやLINE公式アカウントとの併用も効果的です。
Q2. 毎日投稿しないとダメですか?
A. 毎日でなくてもOKですが、週2〜3回の継続+内容の質が重要です。質の低い投稿を毎日するよりも、価値のある投稿を定期的に続ける方が効果的です。重要なのは一貫性と継続性です。
Q3. 写真を撮るのが苦手です。どうすれば?
A. スマホでOK。自然光+顔が見える写真+Canva加工で充分に効果があります。完璧を求めすぎず、「親しみやすさ」「安心感」を重視した写真を心がけましょう。継続的に撮影することで、自然と上達します。
Q4. フォロワーが少なくても予約は取れますか?
A. 十分可能です。100人以下でも”濃いフォロワー”がいれば、予約につながる導線設計次第で成果は出ます。重要なのは数よりも質です。地域密着で、実際に来院可能な人とのつながりを大切にしましょう。
Q5. 投稿の反応がなくてモチベが続きません…
A. まずは1つ「保存されやすい投稿」「送って喜ばれる投稿」を意識しましょう。少数でも”誰かに刺さる”投稿を心がければ、徐々に反応が増えていきます。すぐに結果を求めず、長期的な関係構築を目標にすることが大切です。
Q6. 競合他院もSNSをやっていて差別化が難しいです
A. 技術的な差別化よりも「先生の人柄」「院の雰囲気」「患者さんとの関係性」で差別化しましょう。同じ治療法でも、伝え方や接し方で大きな違いを作ることができます。あなたらしさを大切にしてください。
Q7. 患者さんのプライバシーが気になります
A. 必ず事前に許可を取ることが大前提です。顔を出さない、部分的な撮影、音声のみなど、プライバシーに配慮した方法はたくさんあります。無理に患者さんを撮影せず、院内風景や先生自身の投稿でも十分効果的です。
Q8. SNS運用に時間が取れません
A. まとめて作成・予約投稿を活用しましょう。週末に1週間分の投稿を準備し、平日は短時間でコメント対応のみ行う方法が効率的です。完璧を求めず、できる範囲で継続することが重要です。
まとめ|鍼灸院SNSは”設計と継続”が鍵
鍼灸院のSNS活用について、失敗例から成功事例まで詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
SNSはやみくもに投稿しても成果が出ないということが、今回紹介した失敗例からも明らかです。「とにかく毎日投稿」「ビフォーアフターだけ」「適当なハッシュタグ」「暗い写真」「自院紹介ばかり」といった失敗は、多くの鍼灸院で見られるパターンです。
しかし、「誰に何をどう伝えるか」を設計し直すだけで効果は劇的に変わります。実際の成功事例では、投稿の目的を明確にし、患者さんの立場に立った価値提供を継続することで、予約数の大幅な増加を実現しています。
特に重要なのは以下の5つのポイントです:
そして何より重要なのが、投稿だけでなくLINEやMEOとの連携設計が最重要だということです。
現代の患者さんは、SNS→Googleマップ→ホームページ→LINE→予約という複数のタッチポイントを経て来院を決定します。SNS単体ではなく、これらすべてが連携した患者体験を設計することで、初めて安定した集客が可能になります。
【今すぐできる3つのアクション】
1. 過去の投稿を見直し、「患者さんにとっての価値」があるか確認
2. プロフィール欄を「誰のための院か」が分かるように修正
3. 1つでも良いので「保存されそうなセルフケア投稿」を作成してみる
鍼灸院のSNS活用は、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、正しい方向性で継続すれば、必ず結果につながります。患者さんの健康と幸せを第一に考え、その想いをSNSを通じて伝え続けることで、あなたの院を必要としている人に必ず届くはずです。
今回ご紹介した失敗例に当てはまるものがあれば、まずはそこから改善を始めてみてください。そして、成功事例を参考に、あなたの院らしいSNS活用方法を見つけていきましょう。
SNSは「患者さんとの関係構築のツール」です。技術的なテクニックよりも、患者さんに対する真摯な想いと継続的な努力こそが、最も重要な成功要因なのです。